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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2010年07月08日
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テーマ:洋楽(3287)

ビリー・ジョエルのエンターテイナーとしての本領発揮のビートルズ・カヴァー曲


 ビリー・ジョエル(Billy Joel)は「ピアノ・マン」に象徴されるように、“ピアノを弾き語る吟遊詩人”的イメージから出発し、70年代の大半をそのスタイル中心に突き進んだ。77年の『ストレンジャー』とその前年作『ニューヨーク物語(Turnstiles)』がこの観点からすると頂点だったと筆者は認識している。それに対し、大衆的人気という点では、『ストレンジャー』を含めそれから後にそのピークが来る。80年代を経て93年の『リヴァー・オブ・ドリームス』に至るまで、セールスと人気面でのピークが続くことになる。人気絶頂期を迎えたビリー・ジョエルは大きなホールやスタジアムでのコンサートもこなすようになり、“ロック・エンターテイナー”としての側面にも磨きをかけていった。そんなエンターテイナーぶりがよくわかる場面の一つが、ビートルズのカヴァーをやっているビリー・ジョエルの姿だ。

 「ア・ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day’s Night)」は、90年代、『リヴァー・オブ・ドリームス』リリース後のツアーの様子からの1曲。演奏自体はわりとスタンダードにこのビートルズ・ナンバーをこなしているのだが、観客の様子からもその盛り上がり具合が伝わってくる。筆者もこの頃のビリー・ジョエルの大規模コンサートを見ているが、何より盛り上げ方がうまかった。つまりは“エンターテイナー”として頂点に達していたということだろう。既に大物ミュージシャンとしての地位と人気を確立し、その中でコンサート・ツアーをやり、聴衆をどう満足させるかを心得ている。それゆえ、ライブの流れも突発的というよりはある程度計画的で、ここは聴かせる場面、この曲からこの曲まではひたすら盛り上げていく、などというイメージがはっきりしていた。そんな中、この「ア・ハード・デイズ・ナイト」は、あの大物ビリー・ジョエルが、かの過去の偉大なバンド(ビートルズ)のナンバーを取り上げ、観客を盛り上げる場面で演奏されたであろうことは想像に難くない。ライブの場にいて聴いた人たちは“にくい選曲をするね~”と思わず呟いたことだろうな…。

 もう一方の「バック・イン・ザ・U.S.S.R.(Back in the U.S.S.R.)」は、もう少し前の音源で、87年に当時のソビエト連邦(現ロシア)で行われたコンサートの模様を収めたライブ盤(厳密には、モスクワおよびレニングラードのライブに加えてテレビ収録音源も含む)に収録されている。こちらの選曲は“ビートルズだから”というよりも“曲の内容がU.S.S.R.(ソ連)だから”という理由に拠るのだろう。というのも、冷戦時代・社会主義体制化の時代背景からすると(無論ベルリンの壁も崩壊する以前)、このコンサートが行われたこと自体、驚きに値するものだった。アメリカ合衆国の大衆的大物ミュージシャンがソビエト連邦でコンサートを行う、これだけで大ニュースだった(なお、同年にはビリー・ジョエルの直前に他のミュージシャンたちの合同コンサートも行われたソ連/ロシア音楽界にとっては記念すべき年だった)。ビリーのものも、ナーバスな雰囲気の中で計画されたコンサートだったろうし、実際いくつかの問題も起きたようだが、ビリー・ジョエルはいつもと変わらぬエンターテイナーぶりを発揮し、ソ連にちなんだこの曲も披露した(ありきたりな「~U.S.S.R.」じゃなくて、本当は「シー・ラブズ・ユー」をやりたかったとの話もあるらしいけれど)。

 80年代以降、ビリー・ジョエルは“怒れる若者”というか、“若者文化”を代表するアーティストであることに限界を自ら感じ、社会的メッセージや内省的メッセージの含まれた曲を発するアーティストへと変容していったとも言われる。けれど、エンターテイナーとしての彼というのもこの時期の一つの重要な側面である。いろんなアーティストがいろんな形でビートルズのカヴァーをやっているが、ビリー・ジョエルがやる時のこれは音楽的解釈云々というよりも、“見せる/魅せる”ことを念頭に置いたパフォーマンスという意味で見事なものだと思う。



[収録アルバム]

「ア・ハード・デイズ・ナイト」:
 Billy Joel / Journey to the River of Dreams (1995年、ビデオ付属のCD)

「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」:
 Billy Joel / KOHЦEPT(コンツェルト―ライヴ・イン・U.S.S.R.―) (1987年)





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Last updated  2010年07月08日 07時23分17秒
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